源泉徴収の対象
前項で所得税における課題を書きましたが、そうした課題を解決するために「源泉徴収」という制度があるのです。つまり、給与、報酬など法律で定められた支払いをする人が、その支払いを行う時に、関係している税金（つまり所得税）を差し引き、各人に代わって定期的に国に納付する制度ということで導入されたのが、「源泉徴収」なのです。その支払者を「源泉徴収義務者」と言います。
これと似た制度があります。それは住民税（都道府県、市区町村に申告納税）、社会保険料が差し引かれる「特別徴収」です。手続きがやや異なりますが、基本的な目的は同じです。
源泉徴収にはステップがあります。毎月行う源泉徴収業務ですが、まず対象判定をして、金額計算をします。そして支払い（徴収）、納付と続きます。こうした流れをしっかり理解しておけば、源泉徴収という制度の全体像もつかむことができると思います。
源泉徴収の対象となる支払いについてですが、支払い先が個人の場合は、給与（賞与含む）、報酬（デザイン料、講演料など）、弁護士・会計士・税理士・社労士などへの報酬、外交員、集金人、検針人、プロ選手などへの報酬、芸能人への報酬、ホステスへの報酬、その他（利子、配当、退職金、年金）ということになります。源泉徴収の対象はこのように法律で定められています。